人工物に頼らない手術の研究
人工メッシュを使った泌尿器科・婦人科手術は様々な問題を起こしてきました。私たちは、人工物に頼らない、副作用のない、身体にやさしい、効果的な治療方法の研究を続けます。
はじめに
Erbium Smooth™ Laser Technology(エルビウム・スムース・レーザー・テクノロジー)の登場により、尿失禁の分野で人工メッシュを用いなくても同等の研究成果が出てきました。すでに日本では4000人以上が治療を受けており、そのカルテの分析は重要です。
人工物の問題点
尿失禁や骨盤臓器脱には人工メッシュを体内に組み込む手術が行われてきました。しかし、英国や米国で副作用の観点で警告や問題がでてきています。今必要なのは、人工メッシュの挿入方法ではなく、代わりになる新しい治療です。我々は比較研究を行います。
観察研究(公開)
観察研究とは、診療の際に丁寧に記載したカルテを調査する研究方法です。既に行われている治療の効果や、その予後を観察する場合の研究デザインです。同意不要であった既存データを「オプトアウト」といいます。もし、「自分のデータは使わないでほしい」という方は、お気軽に申し出てください。研究には、患者様の名前・生年月日・住所など個人が特定されるものを消し、さらにデータは鍵をつけたハードディスクに保管します。このホームページは、患者さんの拒否の機会を確保するため一元的に行っています。
研究課題 3 が海外学術論文になりました。.
研究参加施設にて間質性膀胱炎としてVEL治療をうけた方のカルテが対象の研究です。患者様に新たに何かをやっていただくことはありませんでした。カルテの調査には、本人とわかるもの(氏名・住所・生年月日)は消して、間質性膀胱炎に関するデータのみ収集しました。無事に学術誌に1発合格で論文として認められました。
研究課題
  
尿失禁(URINARY INCONTINENCE)という文字を組み替えて略称UNICORNにて登録しております.このUNICORN Studyは、国の基準に準じた倫理委員会の審査を経て、UMIN(大学病院医療情報ネットワーク)にUMIN-CTR正式登録した研究です。
尿失禁と性機能についての研究。参加施設のもつこの2つのデータを解析することで、Erbium Smooth™ Laser Technologyが、人工メッシュ手術との比較を行います.神奈川県保険医協会倫理審査委員会承認。大学ネットワークUMIN登録UMIN-CTR:R00004294。研究はデータ終了になりました。現在、英語論文化に取り組んでいます
混合性尿失禁と過活動膀胱についての研究。参加施設のもつこの2つに関するデータより、既存の投薬とErbium Smooth™ Laser Technologyの共存について調査します。神奈川県保険医協会倫理審査委員会。大学ネットワークUMIN登録UMIN-CTR:R000043333。
間質性膀胱炎における研究。根本的に治療する方法が存在しなかった間質性膀胱炎に対してErbium Smooth™ Laser Technologyが投薬などの対処療法よりも効果的で安全かどうかについて、参加施設のデータを解析します.神奈川県保険医協会倫理審査委員会。
研究課題4
女性泌尿器科と婦人科分野におけるGSM(Genitourinary syndrome of menopause)の研究。新しくできた病名であるGSMについて、MRI画像と所見から診断方法・治療方法について解析をします。神奈川歯科大学倫理審査委員会.
研究課題5
(現在準備中).
研究課題6
(現在準備中).
研究参加施設
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研究成果
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日本におけるErbium Smooth™ Laser Technologyの治療成績.

日本においては、当ホームページ研究主任研究者 奥井伸雄(神奈川歯科大学・よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック)により腹圧性尿失禁に対する人工メッシュの手術とレーザーの比較論文より始まりました。この論文は、世界泌尿器科学会学会誌にて報告され、ハイライト論文に選出されました。その後、同じく奥井より過活動膀胱治療薬との比較が報告されました。一方、性機能の分野では、満行みどり医師によりレーザーの効果が報告されました.

Erbium Smooth™ Laser Technologyによる治療と尿失禁メッシュとの比較

Comparison between erbium-doped yttrium aluminum garnet laser therapy and sling procedures in the treatment of stress and mixed urinary incontinence.レーザー治療は、尿失禁の分野で従来の治療の代替になると考えられてきましたが、比較したものはありませんでした。この論文により、TVTとTOTと比較することで、代替医療としての可能性を証明しました。(https://rd.springer.com/article/10.1007/s00345-018-2445-x)World Journal of Urology May 2019, Volume 37, Issue 5, pp 885–889

過活動膀胱における治療薬とErbium Smooth™ Laser Technologyの比較

Efficacy and safety of non-ablative vaginal erbium:YAG laser treatment as a novel surgical treatment for overactive bladder syndrome: comparison with anticholinergics and β3-adrenoceptor agonists.レーザー治療が、先の論文から切迫性尿失禁を改善していることから、過活動膀胱にも治療価値があることを示した論文。(https://rd.springer.com/article/10.1007/s00345-019-02644-7)World Journal of Urology 2019.