泌尿器科の尿失禁の中でも腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁(過活動膀胱)が合併した混合性尿失禁(MUI)は治療の難しい症例が多い。腹圧性尿失禁に用いる人工メッシュテープのインプラント手術を行うと切迫性尿失禁が悪化することが報告されており、切迫性尿失禁に重点をおいた過活動膀胱治療薬投与では腹圧性尿失禁が治療できないからだ。この問題を解消する方法として、近年エルビウムヤグレーザーを膣から照射する手術(VEL)が世界的に行われるようになり世界で11万人、国内で4500人が受け、腹圧性尿失禁への効果が期待されている。実際の臨床の現場では、VELだけでもMUIが改善したり、VELと過活動膀胱治療薬は併用してMUIを治療している。しかし、実態はわからない。これは、VELと過活動膀胱治療薬の投与における効果と副作用についてデータが少ないためである。そこで、本研究は、VEL手術と過活動膀胱治療薬投与を実施している医療機関にて、実施患者での効果と副作用について、後ろ向きに調査する。
.研究期間 研究倫理審査委員会承認日~ 2021年5月31日
研究等の対象・予定症例数及び実施場所 対象:よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック(神奈川県)、大分泌尿器科病院(大分県)、薬院泌尿器科(福岡県)、健軍泌尿器科(熊本県)にて2010年9月30日から2019年9月30日の間に腹圧性尿失禁手術を施行した患者(およそ1500名前後と予測される)。
実施場所:カルテ調査は、各施設にて実施。分析は、よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック。
研究等の対象とする個人の人権擁護
ヘルシンキ宣言の精神に基づき、厚生労働省・文部科学省「人を対象とする医学研究に 関する倫理指針」及び実施計画書を遵守して実施する。
① 個人情報保護 ☑匿名化(対応表: 有 ・ 無)
② インフォームド・コンセント取得の有無 ☑ 同意取得 (不要 ・ 文書 ・口頭 ・診療録記載 ・掲示 ・その他 ) 。
③ 情報公開の有無 □ 無(理由: ) / ☑ 有(方法:学術大会および論文発表)
研究対象者:混合性尿失禁患者(過活動膀胱含む)
詳細:
投薬なし:100名(女性50歳代から60歳代)
VEL手術:100名(女性50歳代から60歳代)
ミラべクロン25㎎:100名(女性50歳代から60歳代)
VEL手術とミラべクロン25㎎:100名(女性50歳代から60歳代) 。
研究責任者 奥井伸雄
(神奈川歯科大学教授)よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック
okui_nobuo@yahoo.co.jp
倫理教育研修受講日 (平成31年1月18日 神奈川歯科大学)
共同研究者
宮内聡秀 大分泌尿器科病院 医師 大分県
宮崎啓成 薬院泌尿器科 医師 福岡県
高橋渡 健軍泌尿器科 医師 熊本県
奥井真知子 よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック 医師 神奈川県
研究協力に関する御願い(掲示用)
通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施します。
臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いる研究や、
余った検体のみを用いるような研究については、
国が定めた指針に基づき「対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、
研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、
さらに拒否の機会を保障することが必要とされております。
このような手法を「オプトアウト」といいます。本研究で、「オプトアウト」に該当するのは以下のものです。
研究名称: 混合性尿失禁患者(過活動膀胱含む)における治療別の評価についての後ろ向き研究
混合性尿失禁患者(過活動膀胱含む)について、投薬(ミラベクロン)ある/なし、VELある/なしに関して、QOLの状態を把握する研究です。
研究成果は論文等で公表しますが、個人が特定できるような情報は掲載いたしません。
この研究成果により、腹圧性尿失禁の方が、治療方法を選択するときの情報が手に入ります。
研究の対象となる患者さまの過去に行った臨床データを利用させていただくだけです。
是非、ご理解、ご協力いただけますよう、お願い申し上げます。
対象となる患者さま:2016年8月31日から2019年8月31日までに
研究参加施設で混合性尿失禁患者(過活動膀胱含む)と診断された方(新たに何かをやっていただく必要は全くありません。)
研究責任者:
よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック 奥井伸雄 (神奈川歯科大学教授)
連絡先: TEL 046-823-8456 e-メール:okuinobuo@unicorn-study.net
研究への協力をご希望されない方あるいはご希望されない患者様のご家族の方は、
お気軽に各医療施設研究担当者にお申し出ください。お電話でも結構です。