人工物に頼らない手術の研究
人工メッシュを使った泌尿器科・婦人科手術は様々な問題を起こしてきました。私たちは、人工物に頼らない、副作用のない、身体にやさしい、効果的な治療方法の研究を続けます。


ご挨拶.

本研究の目指すところは、人工物に頼り切りにならない医療の実現です。現在の医療はめざましい進歩を遂げ、多くの臓器は人工臓器で置き換えることができるようになりました。その医療によって命を救われた人は実にたくさんいます。しかし、一方で、人工物がトラブルのもとになるケースも随分増えてきました。私も若い時代から、もし、この手術が人工物なしでできたら、と何度も手術中に思ったものです。

自分自身の臓器を若返らせて、それにより手術に置き換える医療を、代替医療といいます。若返るというキーワードを重視した言い方なら、アンチエイジング医療(抗加齢医療)と言います。私は、このアンチエイジング医療は、いままでの手術と、自動車の車の両輪になるべきだと思います。


私が大学教授をさせていただいている歯科医療なら、インプラントといのは最終手段です。インプラントだけでは、その後歯肉が弱ってインプラント周囲炎が起こります。そこで、歯肉のアンチエイジング医療ができたら、どれほどよいでしょう。人類は、歯肉の若返りとインプラントの2つを手に入れたことになります。そして、実際、歯科の臨床の現場では、口腔の若返りに取り組んでいるドクターがたくさんいます。

泌尿器科や婦人科領域では、人工物の導入で手術方法が大きく変わりましたが、アンチエイジング医療という点はあまり重視されてきませんでした。この領域でも同じことです。アンチエイジングにより、骨盤底の筋肉が強くなれば様々な問題が解決するのです。
今回、フォトナ社が開発したレーザーは、このアンチエイジング医療です。手術に対抗できる能力のあるデバイスで、すでにアンチエイジング医療を重視する若いドクターたちが臨床の現場にもちこみ、多くの患者を治しているという事実があります。この若いドクターたちの真摯に記録されたカルテは、人類の宝です。カルテを分析することで、多くの情報が得られ、そしてあたらしい医療への扉が開かれるでしょう。
この研究をぜひ推進していきたいと思います。そして、新しい医療を心から願います。
神奈川歯科大学教授 奥井伸雄
(よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック)