人工知能と臨床モデル
神奈川歯科大学教授 奥井伸雄

ちょっと楽しくものの見方をかえてみよう!


同じ数のパーツが組み合わさって様々な鳥になる



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人工知能① 
ビックデータと人工知能『ヴェスパー(vesper)』による最善の治療コース

ビックデータの集積と人工知能による
その解析をもとに最善の治療コースを提案します

さまざまな過去データを分析して治療コースを選ぶのは、
パーツのくみあわせ作業です

パーツの組み換えで、様々な鳥のアニメにす
る柔軟な思考プロセスが大事です





骨盤底のどこが弱まっているかを考えること
その背景に現在国際論文として発表されている文献のデータ、
過去のカルテの検証データなどをもとに、治療方法を導き出します

倫理委員の承認(神奈川歯科大学)の上データ発表化ののちに
患者様に提供しています。



MRI検査・神経学検査などの因子

 X 

治療結果のデータベース



① MRI検査による構造の確認。血流の有無

② ウロダイナミック検査による
膀胱・尿道・肛門の電気の流れ(神経の流れ)と圧力

③ 当院の膨大なデータ(毎年800から1000件の手術)
から最もよく似ているケースを取り出し

④ 海外の最新論文のデータ
(ハーバード大学データーベースなど)から統計処理

人工知能を用いるのは③と④をつなぐときです。
この作業は倫理委員会の認証を得ております。

また、高性能の①と②は、
人間の目でデータを一緒に観察します。

(①MRI と②ウロダイナミック検査 を統合した例)
倫理委員会:神奈川歯科大学



左のMRI画像のポイントと右の神経学的検査の所見が一致します。

さらに、排尿しながら内圧を測定することが可能になります。


人工知能②
人工知能『ヴェスパー(vesper)』のMRIと臨床データの統合

当院は毎年800から1000件の手術をしています。
その全てが骨盤臓器脱と失禁です
膨大なデータは解析をすることで、
治療プロセスの決定に使うことができます
倫理委員の承認(神奈川歯科大学)の上データ発表化の
のちに患者様に提供しています。



こちらのクリニック紹介のページにも詳しくかいております。

 


当院の人工知能『ヴェスパー(vesper)』は、
人工知能プログラムPythonを基礎に
医学統計(重/ロジスティック回帰, 検定)を担当します
。当院の膨大なデータ解析に役立ちます。対象は

MRI計測値

 X 

プレッシャーフロー検査値

MRI検査において

恥骨結合角
尿道:縦径、横径
恥骨結合後端ー直腸前壁間距離
子宮における恥骨結合後端ー尾骨間距離
膣レベルでの環状断骨盤口径


プレッシャーフロー検査において

膀胱内圧と腹部内圧比較
膀胱内圧と尿道内圧比較
尿道内圧と肛門内圧比較


これらのデータに対する
手術時間、手術での左右差(VAS10)、出血時間、無再発率を計算します

また、R言語にて、ハーバード・データーベースの解析を行い
他施設との比較を計算します。

 

mplot3d tutorial — Matplotlib 2.0.2 documentation

(図はイメージ)設定は個々によって変わります。

過去のデータを、治療を予定する患者の重要な変数に置き換えることで
手術の形式を選んでいきます

赤ドットは人工メッシュない当院データ、
青はメッシュ手術。
再発率はほとんど差がないのに、
痛みなどの後遺症は青のメッシュ手術の方が断然多いデータ解析になります
このサポートがメッシュを使わないナチュラル手術の適正化を図ります




人工知能③
超音波で膣・尿道血管量とレーザー設定

ドップラー超音波による膣・尿道のドップラー超音波

X

レーザーの出力エネルギーと時間




骨盤内の血管は非常に小さいことからドップラーで検出できるサイズは
心臓の冠動脈と同じになります
3次元方向を数式に表すると以下のようです


ここから、ドップラーで見られるエネルギー量は、
測定量に比例することになりますので、
レーザーの照射量を計算できます



この分野においても、人工知能をもちいて当院の過去のビックデータを使います

倫理委員の承認(神奈保険医協会学および神奈川歯科大学)の上
データ論文化ののちに患者様に提供しています。



医学の論文実績(人工知能を用いた治療統計)


Predictive Factors for High Post-void Residual Volume in Older Females
After Treatment for Severe Overactive Bladder
Using a Machine Learning Model.
Okui N, Ikegami T, Hashimoto T, et al. (July 29, 2023)
Cureus 15(7): e42668. doi:10.7759/cureus.42668


Comparison of urethral sling surgery and vaginal non-ablative erbium: YAG laser treatment in
327 patients with stress urinary incontinence:
A case-matching analysis. 
Okui N, Miyazaki H, Takahashi W. et al.

Lasers in Medical Science 2021;37: 655-653 
DOI: 10.1007/s10103-021-03317-x

Laser Treatment for Patients
With Vulvodynia and Interstitial Cystitis/Bladder Pain Syndrome:
A Case Series (The UNICORN-3 Study).
Okui N, Okui M, Kouno Y, et al. (July 12, 2023)
Cureus 15(7): e41786. doi:10.7759/cureus.41786

Ninjin’yoeito Improves Genitourinary Symptoms
in Patients With Frailty.
Okui N, Okui M (June 21, 2023)
Cureus 15(6): e40767. doi:10.7759/cureus.40767 






レーザー医学の論文実績

Effects of non-ablative vaginal erbium:YAG laser treatment for interstitial cystitis/bladder pain syndrome:
a case series (UNICORN-2 study).
Okui N, Okui M, Vizintin Z.
Climacteric. 2020;23(sup1):S14-S17. doi: 10.1080/13697137.2019.1703940.


Efficacy and safety of non-ablative vaginal erbium:YAG laser treatment as a novel surgical treatment for overactive bladder syndrome:
comparison with anticholinergics and β3-adrenoceptor agonists.
Okui N.
World J Urol. 2019 Nov;37(11):2459-2466. doi: 10.1007/s00345-019-02644-7. Epub 2019 Jan 28.

Comparison between erbium-doped yttrium aluminum garnet laser therapy and sling procedures
in the treatment of stress and mixed urinary incontinence.
Okui N.
World J Urol. 2019 May;37(5):885-889. doi: 10.1007/s00345-018-2445-x. Epub 2018 Aug 16.



医学の論文実績(診察方法や手術技術など)

Examining vaginal and vulvar health and sexual dysfunction in patients
with interstitial cystitis (UNICORN-1 study).
Okui N, Okui M, Gambacciani M.
Int Urogynecol J. 2022 May 11. doi: 10.1007/s00192-022-05220-7.


Improvements in overactive bladder syndrome after polypropylene mesh surgery for cystocele.
Okui N, Okui M, Horie S.
Aust N Z J Obstet Gynaecol. 2009 Apr;49(2):226-31. doi: 10.1111/j.1479-828X.2009.00965.x.t.



査読付き日本語論文実績(メンズヘルス医学)

長距離走は,テストステロン値を低下させる
資料名: 神奈川医学会雑誌 (Journal of the Kanagawa Medical Association)
巻: 43 号: ページ: 19-22 発行年: 2016年01月01日

運動の指標としての,テストステロンと性機能評価~運動での突然死,競技成績などに関する考察~
The study of testosterone and sexual function as a marker of health citizen sports.
資料名: 日本性機能学会雑誌 (Japanese Journal of Sexual Medicine)
巻: 32 号: ページ: 27-34 発行年: 2017年06月30日
(日本性機能医学会国内最高論文受賞)

ウォーキングと去勢抵抗性前立腺がん発症の関係についての研究
資料名: 科学評論社 『腎臓内科・泌尿器科 』
巻: 8 号:ページ: 183-190 発行年: 2018年8月発行 17年06月30日




 

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